温暖化でもすくすくと

今年(2019年)関西の梅雨入りは史上最も遅い日となり、乾燥した日々が続いておりました。一転して梅雨入り後は雨が続いています(梅雨なので当然ですが)。

温暖化の影響で野菜作りはとても難しくなってきています。10年前の気候とは明らかに違い、季節の移り替わり時の乱れが大きくなっています。今年は5月に真夏日が続き、6月は低温傾向となる季節が逆転する気候でした。本来の気候でなくなると生育が遅れたり早すぎたりして「商品としての野菜」にはならなくなってしまいます。

当園では丹波黒の栽培を黒マルチ栽培に切り替えています。丹波篠山ではめずらしく、ほとんどの生産者はマルチ栽培を行っていません。丹波黒は株が大きく倒れやすいため土寄せが必要になります。やはりマルチ栽培では倒れやすいようで株が大きくなればなるほど、倒れてしまいます。 他にも様々な課題がありますが 、それでもメリットの方が大きいので、先を見据え試行錯誤し少しずつ解決をしています。

丹波黒の奥にトウモロコシがあります。日照不足気味にも関わらず、丹波黒もトウモロコシも生育がとても良い、やはり二酸化炭素量が増えているのでしょうか。トウモロコシは特性上、初期成育で失敗すると、いくら肥料を与えても背丈が低いまま小さな実を付けてしまうので、品種特性を無視できない意外と難しい作物です。

農協に出荷中のピーマンです。直売所向きの甘長とうがらしを量産していましたが、昨年の送料高騰の煽りを受けて市場や業務用出荷に転換しています。品種改良の進んだピーマンは、甘長とうがらしと比べて作りやすく、とても順調に生育しています。想定より生育が良すぎるため収穫・袋詰め作業が追い付かなくなってきています。来年はさらに拡大予定にしているため効率化を進めています。毎年試行錯誤の連続です。

上の写真もピーマンですが、白い花の下あたりに、ミツバチがいます。とてもおとなしく、収穫していても刺さされることはありません。暑すぎる日よりは曇り気味の日の方が良く見かけるような気がします。ミツバチにも温暖化の影響が出てきているようです。農家にとっては益虫なのでたくさん来てほしいのですが、暑すぎる日が多くミツバチがあまり来てくれなくなってきています。ただ、ピーマンの蜜はあまり甘くはなさそうですね。。

上はキュウリ、下はミニメロン(プリンスメロン)です。キュウリはモグラ被害で2回植え直しましたが、収穫できるようになってきました。プリンスメロンはちょうど食べ頃になってきています。雨続きで病気が広がってきていますが、もうそろそろ収穫して終了です。

下の写真は丹波黒の写真ですが、モグラとネズミの被害を受けたところです。苗が小さいうちは、モグラが通るだけで枯れてしまい、 さらにモグラが作ったトンネルをネズミが通って、丹波黒の豆葉部分をたべてしまいます。 ある程度大きく育った株でもモグラが穴を掘る際に根を切られてしまい、枯れてしまいます。カラスはマルチから顔を出すネズミの存在を察知しているようで、時おり集団で狩りに来ています。苗を引っこ抜いてまでネズミを探すなんてことは今までなかった行動です。

下写真はカラス被害を受けたスイカです。今年は自然界に食べ物が少ないのでしょうか、執念深く人が栽培した野菜を狙っています。熊の出没情報も良く聞くようになり、これも温暖化の影響の1つなのかもしれません。ちなみに、絶対食べられたくないスイカはコンテナカゴで囲って守っています。